扇子は末広「すえひろ」ともいいます。
要「かなめ」で とじられていて、先に行くほど広がっているので、
末広がり、つまり先行きは広がる、未来が開けるということで幸運を表す末広がり、 という意味で末広ともいいます。
お客様は、茶室に入るときには、扇子を持ちます。
男性は少し大き目を、女性用は小さめです。
男物、女物と区別がつけられているのも、和文化の特徴といえます。
そのほか、袱紗「ふくさ」、(茶器を清めたり、敷いたりする時に使う絹の布)
懐紙、「かいし」(お菓子をいただくときに敷く紙)なども
それぞれ男女で色や大きさに違いがあります。
男性用、女性用と男女の区別をつけることで、その特性に気づかせたのだと思います。
男女同じではないところがまた、味わいの深いところです。
さて、扇子ですが、これを 手にしていると、改まってご挨拶をいたします。
というサインになります。
まずは、右手に持ち、茶室に入る際は、自分の前に一文字におきます。
そうすることで、結界、あなたと私の境をきちんと指し示します。
ちゃんとボーダーを決めているのです。
あなたと私の境を引いてこちららは私、そちらはあなた。
一旦個人の境を決めて個としての 区別をつけた後、
境界を取り払って、 共に交わりましょうということになります。
そういう意味では、個の確立ができていたのだなあと思います。
入室、退室、お軸に一礼するときも扇子を横一文字に置きます。
ご挨拶をして、席に着くと、自席の後ろ、畳のヘリに置きます。
そうすることで、結界は外されて、一同が心を開いて交流することになります。
これらのことは無言で行いますから非言語のコミュニケーションです。
そして、楽しく、ご一緒した後は、また、扇子を手前に一文字において、
一線を引いて、それぞれの元へと戻ってゆきます。
あなたと私は、別の人格で、それぞれです。という確認ですね~
きちんと境界を決めて、ボーダーを引いていることを無意識は認識しています。
日本人は、古来から、無意識の扱いが、とても上手でしたね~♪
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日本人は古来より、その美しさを価値判断の基準としてきました。 潔さ、もののあわれ、滅びゆくものへの愛しみ、生まれゆくものへの祝福など、 在り方としての美しさを愛でてきたように思います。 そんな日本人が持って生まれた美しさへの思いを共有し、形にするところ~が、和・美・場~です。 和・美・場では、茶道を通して日本の美しさ、日本人の美への希求を分かち合いたいと思います。
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