人は、制服を身につけた時とそうでないときは、違って見えます。
制服にはパワーがあります。
制服を身につけることで私たちは違ったエネルギーを発しているのかもしれません。
決まった形、制服を着用すると、きりりと引き締まります。
適度な緊張と集中が行われるからでしょう。
気持ちの切り替えもおこります。
そしてその状態に瞬間的に切り替わります。
これをアンカーといいます。
自分自身を瞬時に良い状態に変換したいときには、
いつも使えます。
これは茶室でも起こります。
いつものようにお稽古するときも、
末広をもち、お軸に一礼した途端に
気持ちはシャンとなり、きりりと引き締まります。
この清涼感が日常のストレス や 未完了の物事などもろもろの事から、私たちを一瞬で切り離してくれます。
そういう意味では服装だけでなく、
持ち物や動作姿勢を整えることで、
ある 一定の精神状態 になれる、
茶室にもアンカーがかかっている。と言えます。
アンカーというのは、
一定の刺激によってある特定の感情や記憶、
反応が起きる事を言います。
よくご存じのように、パブロフの犬は、
餌を与えられるとき同時にベルの音を聞きました。
そうするとその犬は、ベルの音を聞いたら、餌がもらえるという反応を起こして、
唾液が出てくるようになりました。
ある刺激、ここではベルの音と生理的な反応、
唾液が出る。が結びついてしまったのです。
私たちも子供のころ大好きだったアニメのテーマソングを聞くと、その当時のことがありありとよみがえってきたりします。
また、香り、私は洗濯もの、特にシーツが乾いた時の匂い、多分お日様の匂いだと思うのですが、祖母のことを思い出します。
きっかけになる刺激、
最初の例ではテーマソングによる聴覚の刺激、
次の例は、お日様の匂いですから、嗅覚です。
他にも言葉であったり、
動作や姿勢、体感覚への刺激もきっかけになります。
五感が私たちをその時の状態に導いてくれています。
決まった行動や、決められた言葉、服装や持ち物、
さまざまなものがよりよい状態へ自分自身がいつでも入れるきっかけになるとしたら、
決められている ことは、自由につながる大切な要素です。
決まりきった事を行うことで精神が自由になる。
身体は、自由に動けないのですが、心は変幻自在です。
パラドックスですが、真実です。
和・美・場
日本人は古来より、その美しさを価値判断の基準としてきました。 潔さ、もののあわれ、滅びゆくものへの愛しみ、生まれゆくものへの祝福など、 在り方としての美しさを愛でてきたように思います。 そんな日本人が持って生まれた美しさへの思いを共有し、形にするところ~が、和・美・場~です。 和・美・場では、茶道を通して日本の美しさ、日本人の美への希求を分かち合いたいと思います。
0コメント