お道具を拝見する!


仕舞いつけ(後片付け)が終わると、最後に道具を拝見します。


拝見というのは、お茶席で使った道具たちを
手にとって鑑賞することです。


どんなに由緒があり、希少で、高価であっても、
お茶席ではお道具を間近で拝見出来ます。


そんな道具たちを手にとって愛でることができるのは、幸せなことです。


先人達が手にしたまさにその道具を、
何百年何十年後の私たちも共有できるのですから。


 お客様にお出しする前に、棗を清めます!


そんな貴重なお道具ですから拝見にもやはり作法があります。
                

まずは、「お先に」と、次客に挨拶し、
自分の正面において両手をついて全体の様子を拝見します。


ここまではどんなお道具にも共通です。


薄茶をいただいた後に、拝見するのは、
棗と言われる薄茶が入っている容器と
茶杓というお茶を掬う竹でできた匙です。


棗は、漆器です。


中には、薄茶が入っていますので
両手で丁寧に取り扱いましょう。


左手を添えて右手でふたを開けます。


ふたの裏にも花押と呼ばれるサインや、
文様があることがありますから、見逃さず、漆器はふたをうつ伏せに置きます。


ふたの天井が擦れたり傷ついたりしないようという配慮です。


棗の中も拝見しましょう。


お茶を掬いとった後も、景色として、鑑賞します。


景色とは陶器などに現れる不測の変化の部分を言い、
そこが見どころでもあります。


利休好みの中棗
ふたを戻して、もう一度、全体の様子を拝見して、
次の方に送ります。


次に茶杓も同様に拝見します。


色、形、大きさ、手触り、重さ、
景色・・・。


茶杓は、抹茶をすくう、竹製のさじです。


拝見も私たちの五感を十二分に満たしてくれます。


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和・美・場

日本人は古来より、その美しさを価値判断の基準としてきました。 潔さ、もののあわれ、滅びゆくものへの愛しみ、生まれゆくものへの祝福など、 在り方としての美しさを愛でてきたように思います。 そんな日本人が持って生まれた美しさへの思いを共有し、形にするところ~が、和・美・場~です。 和・美・場では、茶道を通して日本の美しさ、日本人の美への希求を分かち合いたいと思います。