お客様が、お茶を召し上がって、
そのあと、お茶碗を拝見し終えると
それを亭主のもと、出された位置へと戻します。
亭主は茶碗を取り込んで、仕舞いつけにかかります。
この時、正客は全員の様子をよく確かめて、
亭主に「どうぞお仕舞い下さい。」と言います。
薄茶は何服頂いてもいいので、
お客さまの方から亭主にもう十分頂きましたので、
お仕舞いにしてください。と伝えます。
それを受けて亭主は、「お仕舞いいたします。」
と答えて道具を仕舞いつけにかかります。
お茶碗、茶筅は湯と水をくぐり、茶杓は清められます。
お茶を点てたのと同じように
仕舞う様子もお客さまの目前で行われます。
最初から最後まですべてのプロセスをお目にかけるのです。
私たちの営みすべてがそうであるように…。
清められ、片付けられた点前座は何事もなかったかのように再び整然とした表情を取り戻します。
立礼式 御園棚
仕舞うという言葉はとても美しく、そしてその行為も美しいものです。
元あったところにきちんと戻す。
整然と整えられた空間には、
次にすぐに使えるように、
まだ見ぬその先、未来への思い が込められています。
そうだったのですね。
だからお仕舞いは美しいのでしょうか。
次の方への 思いやり、次回への愉しみ。
そういった思いとともに道具たちは整然と仕舞われるのです。
そして、ここでも無意識は
その風景を見届けているのです。
きれいに仕舞われた空間は、
すっきり、無駄がありません。
ですから、私たちは、
茶室で 心身が、清められたように感じるのでしょう~
お茶を楽しんでくださいね~
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和・美・場
日本人は古来より、その美しさを価値判断の基準としてきました。 潔さ、もののあわれ、滅びゆくものへの愛しみ、生まれゆくものへの祝福など、 在り方としての美しさを愛でてきたように思います。 そんな日本人が持って生まれた美しさへの思いを共有し、形にするところ~が、和・美・場~です。 和・美・場では、茶道を通して日本の美しさ、日本人の美への希求を分かち合いたいと思います。
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