茶室の花は…

席入りいたしましょう~


 茶席に入ることを席入りといいます。


広間と呼ばれる四畳半以上の広い座敷がお茶席のときは、手がかりといって、ここから、お入りください、


と少し襖や障子を開けていますので、扇子を前に置き、そこから入室します。


扇子を前において、ちょっと、中の様子をうかがい、


一礼して、にじって(正座のまま、移動して)入ります。


立ち上がって、床の前に進み、扇子を前において、軸に一礼し、


続いてお花や、香合があればあわせて拝見し、
一礼して点前座に進みます。


 点前座は、亭主が点前をする場所です。


やはり、扇子を前において、 お釜 と棚や 道具など を拝見して席に着きます。


    茶席の花は、 花は野にあるように、


とは、茶の湯の心得を利休が説いた、利休七則1 にある茶花の項です。


花を入れるときは、野に咲くように入れる のが茶花のありようだというのです。


  額紫陽花、雪柳

 
野にある花は自然に溶け込み、主張せず花は花としてただある、
そんな感じでしょうか。


そして花を室内に飾ることは、屋内にいても、野山、自然とのつながりを感じさせてくれます。


花は、季節や道具に合ったもの、お客様のお好みなどを考慮して選びますが、


花にも約束があり、香りの強いものや、けばけばしい

色など、茶席にふさわしくないものは避けます。 


全体の調和を乱さず、茶会のテーマにふさわしいもの ということです。

                                     酔芙蓉 

朝は白ですが、夕方には、ピンクに変化する様子が、酔った美人のようだというのでこの名が…なんとも艶めかしいですね?
 

花は、茶室で唯一の生き物です。          
                              
 静寂の茶室で呼吸していて、いのち♪~を感じさせてくれます。



それは、命の瞬間を切り取った刹那 なのかもしれません。
 
 利休七則1 は、弟子の一人が「茶の湯の神髄とは何でしょう」
と尋ねたときに、利休が答えたことです。


  茶は服(ふく)のよきように、
    服とは飲むこと、茶は、飲む人がちょうど良いように点てよ!


  炭(すみ)は湯の沸(わ)くように、 
      本質を大切に


  夏は涼(すず)しく、冬暖(あたた)かに、


  花は野にあるように、

 
  刻限(こくげん)は早めに 、
    
  降(ふ)らずとも雨の用意 、


  相客(あいきゃく)に心せよ、

  同じ席にいる方々をいつも心にかけなさい。

 

                  の7つです!

                                        

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和・美・場

日本人は古来より、その美しさを価値判断の基準としてきました。 潔さ、もののあわれ、滅びゆくものへの愛しみ、生まれゆくものへの祝福など、 在り方としての美しさを愛でてきたように思います。 そんな日本人が持って生まれた美しさへの思いを共有し、形にするところ~が、和・美・場~です。 和・美・場では、茶道を通して日本の美しさ、日本人の美への希求を分かち合いたいと思います。