すり足で歩く

畳を歩いてみましょう~


すり足で歩く のです。


一畳を何歩で歩くかは流派によって違うのですが、

足さばきを決める時、いつもと違う筋肉や身体感覚を使うので、

脳にもとてもいい刺激になるようです。


無意識に歩くのではなく、歩数や歩幅、左右の足を確認しながらすり足で歩いてみると、

畳の感覚、足の裏、指の動きなど、色々な変化がキャッチできます。


すり足とは、上体をまっすぐに膝を曲げ腰を入れて、重心を落として滑るように歩く歩き方です。

安定していて、とっさの変化に対応できる、ぶれない歩き方です。

何かが変化するとそれに伴って様々なことが変化します。


背筋を伸ばし、姿勢が良くなると視野が広がります。

そうすると、視覚からの情報量が増えます。


光の量も増え、自分を取り巻く空間が広がり、物や人との距離感が測れます。

情報量が増えると、それだけ選択肢が広がります。


目的にかなった選択が可能になります。

危険を察知し、予測し準備することもできます。

また、背筋を正すと、みぞおちが伸びて、腹式呼吸がしやすくなり、

酸素の摂取量が増えます。


深く大きな呼吸はリラックスさせてくれます。


呼吸は唯一自分自身で、コントロールできる内的な反応です。


私たちは内臓のはたらきをコントロールすることはできません。

それらは自律神経の担当です。


消化や吸収、排せつや内分泌系の働きがそうです。


でも最も大切な酸素を取り込む呼吸運動は、自分自身でコントロールできます。

だからでしょうか、禅や武道でも呼吸についてのたくさんの教えがあります。

ここでは、ゆったりと大きく構えて、自分自身の中心を感じてみましょう。

亭主役でお点前するときも、お客様役でおよばれするときも背筋が伸びて中心が安定していると効果的に動くことができます。

点前の手順においては、必要な道具を効率的に配置し、扱います。


そこには、道具の機能美も相まってまことに美しい所作が生み出されるのです。


その時必要なことは、重心がきちんと定まっていること。

懐がゆったりしていることです。


人の動作、立ち居振る舞いからも一切の無駄が省かれて、機能的に動作しているとき、私たちも茶室の背景となるのです。


そしてそれらを無意識は眺めています。


整然とした茶室の空間は、清浄な茶室の風情に、不可欠です。


そういった状態すべてをもって調和しているというのかもしれません。

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和・美・場

日本人は古来より、その美しさを価値判断の基準としてきました。 潔さ、もののあわれ、滅びゆくものへの愛しみ、生まれゆくものへの祝福など、 在り方としての美しさを愛でてきたように思います。 そんな日本人が持って生まれた美しさへの思いを共有し、形にするところ~が、和・美・場~です。 和・美・場では、茶道を通して日本の美しさ、日本人の美への希求を分かち合いたいと思います。