織部を 楽しむ~

抽象・象徴は、そのものずばりを言わないでそれらのイメージを誘い、
そのイメージに委ねます。


そこには、それぞれの世界を肯定する、
とても愛情あふれたわれわれ日本人の持つ受容の精神
があるように思います。


抽象といえば織部焼です。


今欧米では話題を集めているようですが、私もあの自由でおおらかなところが大好きです。


現実そのものを忠実に写し、如何に現実とも見まごうものを創り出すことから抽象にたどり着いた西洋、
自然を自らの手で再現しようとした西洋に対して、
東洋は最初から無意識を扱いました。


その結果、楽や織部が誕生したのではないでしょうか?
西洋の人々はそれらをアバンギャルド(前衛的)と表現します。


確かに織部の文様はユニークです。


「冬枯れ」という銘の茶碗はミロの世界を思い起こさせます。
そこからの発想は本当に私たちを自由で囚われのない世界へいざなってくれます。

冬枯れ 織部


冬枯れというお茶碗から私には、なぜか枯れているのに温かい感じが伝わってくるのです。


躍動する文様から、自由や闊達さが感じられます。
野は枯れている。
だからこそ、それらにとらわれずに意識は自由に躍動している。


やがて来るべき時に向けて。


というメッセージが伝わってくるからでしょうか。


東洋思想の巨人達は、最初から、本質をとらえ、抽象化することでそれらを普遍的に表現しようとしたのかもしれません。


そこは変化してやまない万物を超えたところだったから~なのでは、と思いは無限に広がります。


美とは、それぞれのプロセスの中にあり、
それをとらえた自分自身の心の世界の中で
初めて完成するのですね~


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和・美・場


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日本人は古来より、その美しさを価値判断の基準としてきました。 潔さ、もののあわれ、滅びゆくものへの愛しみ、生まれゆくものへの祝福など、 在り方としての美しさを愛でてきたように思います。 そんな日本人が持って生まれた美しさへの思いを共有し、形にするところ~が、和・美・場~です。 和・美・場では、茶道を通して日本の美しさ、日本人の美への希求を分かち合いたいと思います。